公開日 2025.04.30
木造 省エネ 用語や定義について解説!
建築実務者の皆様は2025年4月の法改正から省エネ業務に関わることが多くなったのではないでしょうか。
なんとなく使っていた省エネの用語でも
「改めて、これって・・・こういう意味でいいんだよね?」
と思うことはありませんか?
そこで今回ここでは木造住宅の省エネに関連する用語や定義について、改めて解説をしていきたいと思います。
■省エネ
エネルギーの使用を減らし、効率よく使うこと。『省エネルギー』の略称。
■再エネ
『再生可能エネルギー』の略称。化石燃料(石油・石炭等)のように枯渇することなく、太陽光・風力・水力・地熱等自然の力を利用して繰り返し使うことができるエネルギーのこと。住宅に取り入れやすいものとしては〈太陽光発電システム〉が代表的。
■創エネ
『エネルギーを創ること』の略称。住宅で主要となるものでは、太陽光の再生可能エネルギーを用いて自家発電を行うこと。
■省エネ住宅
『省エネルギー住宅』の略称。国が定める『建築物のエネルギー消費性能の向上を図るために制定された法律』(建築物省エネ法)の基準を満たしている住宅。
■ZEH(ゼッチ)住宅
ZEH住宅とは『Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)』の略称。外皮の断熱性能等の向上および高効率な設備の導入による省エネルギー性の実現をした上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間を通じた一次エネルギー消費量の収支がゼロまたはそれ以下とすることを目指した住宅。
※ZEH住宅とは? 詳細はこちら▽
■建築物省エネ法
建築物に関する規定により作られた『建築物のエネルギー消費性能の向上を図るために制定された法律』の略称。
■建築物省エネ法改正(2025年4月1日以降)
2025年(令和7年)4月1日から建築物省エネ法の改正に伴い、すべての住宅が省エネ性能の適合義務化に改正。一般住宅でも建築確認時に省エネ基準を満たすことが義務になりました。建物の用途・規模に関わらず、確認申請時に建築物エネルギー消費性能適合性判定(省エネ適合性判定)または同等の手続きを行うことが必要となります。
■建築物エネルギー消費性能適合性判定
建築物が国の定める省エネ基準に適合しているかを判定する制度のこと。省エネ適合性判定(省エネ適判)と言われる。適合義務の対象となる省エネ基準は一次エネルギー消費量(BEI)。
■確認申請時の省エネ適合性判定(省エネ適判)の省略
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律施行規則 第2条により、次のいずれかに該当する場合は、省エネ適判が比較的容易である場合として省エネ適合性判定を省略が可能。
・仕様基準を用いて省エネ基準適合を示す場合
・設計性能評価書を取得している場合
・長期優良住宅認定通知書または長期使用構造等である旨の確認書を取得している場合
■建築物の省エネ基準
建築物が備えるべき省エネ性能の確保のために必要な建築物の構造及び設備に関する基準のこと。省エネ性能の最低基準で、2025年4月1日からの法改正により今後はすべての新築・既存建築物にで満たす必要があります。
住宅:外皮性能基準 + 一次エネルギー消費量基準からなるもの (非住宅:一次エネルギー消費量基準からなるもの)
※2025年建築基準法改正とは?省エネ基準見直しとは? 詳細はこちらへ▽
■建築物の誘導基準
建築物省エネ法で定められた『建築物エネルギー消費性能誘導基準』のこと。省エネ基準よりも高い性能を求められる基準となり、『遅くとも2030年までに』は省エネ基準に引き上げられるとされている基準です。『ZEH水準』に基づいた数値や要件が設定されています。
■住宅の外皮性能基準
外皮(外壁、窓等)の表面積辺りの熱損失量が基準以下となること。外皮平均熱貫流率(UA値)と平均日射熱取得率(ηAC値)の2つの数値で判断します。
■UA(ユー・エー)値
住宅の断熱性能を示す『外皮平均熱貫流率』のこと。地域区分別に規定されている。室内と外気の熱の出入りのしやすさの指標であり、数値が小さいほど断熱性能が高く、熱が逃げにくい省エネ性の高い建物となります。
■ηAC(イータ・エーシー)値
冷房期の平均日射熱取得率のこと。地域区分別に規定されている。太陽日射の室内への入りやすさの指標であり、数値が小さいほど日射が入りにくく、遮蔽性能が高い建物となります。
■ηAH(イータ・エーエイチ)値
暖房期の平均日射熱取得率のこと。基準はありません。
■省エネ基準の地域区分とは?
省エネルギー基準は各地域の外気温傾向や、使用されている設備機器等の実態を踏まえ、8の地域区分毎に基準値が設定されている。原則として市町村単位で設定されている。
※省エネ計算:外皮性能とは?外皮性能計算の考え方とは? 詳細はこちら▽
■住宅の一次エネルギー消費量基準
一次エネルギー消費量の算定対象となる設備機器等(冷暖房設備・換気設備・給湯設備・照明設備・太陽光設備 等)における一次エネルギー消費量が基準値以下となること。
■一次エネルギー消費性能(BEI値)
実際に建てる建築物の設計一次エネルギー消費量を、地域や建物用途、使用条件等により定められている基準一次エネルギー消費量で除した値のこと。建築物の一次エネルギー性能値はBEI値をにより判定される。算出には建築研究所のHPで公開されているWebプログラムを活用する。
■基準一次エネルギー消費量
建物の立地・大きさ・用途・標準的な設備等(冷暖房・換気・給湯・照明等)の仕様を採用した場合の消費量のこと。
■設計一次エネルギー消費量
建物を設計した段階での予測されるエネルギー消費量のこと。断熱・各種設備等(冷暖房・換気・給湯・照明・太陽光等)より計算したものです。
※省エネ計算:一次エネルギー消費量計算とは? 詳細はこちらへ▽
■BELS
建築物の省エネ性能について評価・認定をする制度。各種補助金の取得の性能証明としても利用されることが多い。
※BELS評価書とは? 取得のメリット等 詳細はこちら▽
■低炭素認定住宅
二酸化炭素(CO2)の排出量を抑制する仕組みのあると認められた住宅のこと。
■長期優良住宅
長期間に渡り良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅の建築・維持保全に関する計画を『長期優良住宅の普及の促進に関する法律』に基づき認定するもの。
※長期優良住宅とは? 認定取得の詳細はこちら▽
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執筆:サポートセンター省エネ室 星野(二級建築士) 外皮計算・一次エネルギー消費量計算を年間100棟以上担当 各種申請も得意とする |
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