コラム
公開日 2025.01.30
ZEH住宅とは? メリット・デメリットについて
現在、新築住宅の建築の際に〈ZEH〉の取得を検討しているビルダー様が多いのではないでしょうか。
ここでは〈ZEH住宅〉を採用する際のメリット・デメリットについて解説していきます。
🔳ZEH(ゼッチ)住宅とはどんな住宅?
ZEH(ゼッチ)とは『Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)』の略称で、外皮の断熱性能等の向上および高効率な設備の導入による省エネルギー性の実現をした上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間を通じた一次エネルギー消費量の収支がゼロまたはそれ以下とすることを目指した住宅を指します。
そんなZEH住宅にするためには、以下の3つの要素が重要となります。
1⃣ 高い断熱性能
ZEH住宅では、外気温に左右されにくい高い断熱性能が求められます。具体的には高断熱材の使用や高性能の窓、ドアを採用することで冷暖房の効率を最大限に高めることが重要です。これにより、住宅内の温度を快適に保ちながら、今まで冷暖房に使用していたエネルギー消費を抑えることができます。
2⃣ 省エネ性能の高い設備の導入
エネルギーの消費を抑えるために省エネ性能の高いエアコン、換気設備、少ないエネルギーでお湯を沸かせる高効率な給湯システム、消費電力の少ないLED照明などを導入することで、エネルギー消費量を大きく削減することができます。
3⃣ 太陽光発電システム等の再生可能エネルギーシステムを備えること
ZEH住宅では太陽光発電システムや家庭用蓄電池等の再生可能エネルギーシステムを備え、エネルギーを創り出す(=創エネ)ことが求められます。特に太陽光発電は、住宅の屋根にパネルを設置することで日中は発電された電力を住宅内で使用し、余剰電力については売電することもできます。災害時に必要な電力の確保にも役立つ設備となります。また、蓄電池を導入することで夜間や曇りの日などでも電力を自給自足も可能です。
では、ZEH住宅にすることでのメリット、そしてデメリットとはどのようなことがあるのか。
🔳ZEH住宅のメリット
・快適な居住環境
高断熱性と省エネ効率が高い設備によって、一年を通じて快適な温度を保つことができます。外部の気温変化に影響されにくいため、寒い冬や暑い夏でも快適に過ごせる温熱環境に優れた住環境で過ごすことができます。
・ランニングコストの削減
高い断熱性能や省エネ効率が高い設備の導入、太陽光発電による自家発電により光熱費の削減が可能になります。また、太陽光発電で余った電力を電力会社に売電することで収益を得られる経済的メリットもあります。
・非常時や災害時に電力を備えられる
太陽光発電により創りだした電力を蓄えて置ける蓄電池を設置すれば、停電や自然災害時に非常電力として備えることができます。
・補助金制度を活用することができる
国や地方自治体よる補助金制度を受けることができる場合があります。これによりZEH住宅の初期投資を抑えることができ、導入コストの負担が軽減されます。どのような補助金制度があるのか、補助金制度を受けるためにどのような申請が必要になるのか。こちらについては別のコラムにてご説明いたします。
・高く売却できる可能性がある
一般社団法人「住宅性能評価・表示協会」が住宅の省エネ性能を評価するための「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」制度で、ZEH住宅は高評価を得ることができるため、将来売却する際に評価のない物件よりも高値で売却できる可能性があります。
🔳ZEH住宅のデメリット
・発電量が天候に影響される
太陽光発電は太陽光エネルギーによって電力を創りだすため、十分な日照が必要です。曇りや雨等の天候の悪い日や日照時間の短い冬場は発電量が安定しないため、建設地によっては太陽光発電の効果が十分に発揮されない場合があります。
・初期費用の高さ
高断熱性能の建材や省エネ性能の高い設備、太陽光発電システム・蓄電池等、通常の住宅よりも多くの設備が要するため初期投資費用がかかります。しかしながら前述にもある通り、月々のランニングコストの削減や、国や地方自治体からの補助金制度等の利用を考慮すると、長期的には費用対効果が高いといえます。
・メンテナンス費用がかかる
省エネ機器を長く使うためには定期的なメンテナンス費用が必要となり、また太陽光発電システム・蓄電池については耐用年数もあるため、設置費用だけではなく修理・交換費用も想定しておく必要があります。
このようにZEH住宅の採用にはメリットも沢山あれば、デメリットも必ず生じてしまいます。
メリット・デメリットそれぞれについて十分に把握をした上で、住宅の付加価値を高め、より良い居住環境の提供として、ZEH住宅の採用を検討してみてはいかがでしょうか。
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