コラム

省エネ計算

公開日 2024.12.27

高い省エネ性能を示すHEAT20とは?

#省エネ計算

高性能住宅・省エネ住宅と関連して「 HEAT20 」という言葉にも注目が集まっている昨今ですが、「 HEAT20 」について解説したいと思います。

 

〈 HEAT20とは?〉

そもそも「 HEAT20 」ってなに?という方も多いかと思います。

HEAT20とは「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」のことであり、英語表記で「 Society of Hyper- Enhanced insulation and Advanced Technology houses for the next 20 years 」となり、この頭文字を取って「HEAT20」と命名されました。

 

低環境負荷・安心安全・高品質な住宅の実現のため、主として居住空間の温熱環境・エネルギー性能、建築耐久性の観点から、外皮技術をはじめとする設計・技術に関する調査研究・技術開発と普及定着を図ることを目的とされています。

研究会は2009年に発足し「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」という名前で活動をしていましたが、現在の名称で社団法人化しました。

 

〈 HEAT20の断熱基準 〉

HEAT20ではより快適に暮らすために断熱性能の基準値を定め、日本で建築するうえでの最低基準だけでなく近年注目されているZEH基準よりも厳しく設定されています。

HEAT20ではG1、G2、G3という3つの独自のグレードで区別・評価されており、G1が最も易しい基準となり、G2、G3と数字が大きくなるにつれて厳しい基準が設けられています。

G3になるとZEH基準の2倍以上の断熱性能が求められる非常に厳しい基準となります。

(地域区分5地域の場合、ZEH基準:UA値0.60以下  G3基準:UA値0.23以下

 

〈 HEAT20が注目されているのはなぜか? 〉

ではなぜHEAT20のG1、G2、G3が設けられたのか。そしてHEAT20の基準が注目されているのか。

それは、日本の住宅の省エネ化が諸外国に比べ国際的に「 低水準 」であることが問題視されたためとなります。

国が定める省エネルギー基準は、現在「 断熱等性能等級4 」から「 断熱等性能等級7 」まであり、2025年度の法改正に伴い「 断熱等性能等級4 」 をクリアすることが新築住宅に義務化される予定です。

 

※関連記事:2025年法改正③

 

HEAT20による高い断熱性能基準の策定が「 住宅の省エネ化 」の促進への対策となっており、国で定める「 断熱等級6 」がG2仕様、「 断熱等級7 」がG3仕様で試算されていることもあり、注目されています。

 

省エネ関係の話になるとUA値ばかりに目がいってしましますが、HEAT20が提案するG1~3が目指すものは、省エネ基準のようにUA値を満たすだけではなく、地域区分毎に規定した4つの「住宅シナリオ」が存在し、(住宅シナリオは室温(NEB)、エネルギー(EB)の2つの指標で示されます)

①暖房期最低室温(OT)・3%タイル値

②暖房室温(OT)15℃未満の面積比割合

③平成28年省エネ基準からの暖房負荷削減率

④平成28年省エネ基準における間歇暖房時の暖房負荷に対する全館連続暖房としたときの暖房負荷削減率

上記を満たすこと目指しています。

 

非常に基準が厳しいため、数値を満たすまでに様々な対策をする必要があり、より快適で性能の良い住宅にするためには詳細の省エネ計算を行うことに繋がります。

※関連記事:外皮性能計算と一次エネルギー消費量計算

 

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このように年々、省エネ住宅に求められる基準が増してきています。

何から手をつければいいかわからない、そんな時は一度弊社にご相談いただければ幸いです。

 

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