コラム
公開日 2024.12.27
省エネ計算
2025年4月の着工物件から確認申請の審査基準が変わります。
いわゆる4号特例の縮小です。今回の法改正に伴い大きく変わるのは「構造基準の審査」と「省エネ基準の審査」ではないでしょうか。
今回は「省エネ基準」について解説していきたいと思います。
※「省エネ基準」の概要については下記のページをご確認ください。
省エネ基準で問われるポイントは以下の2つから算出される数値になります。
「外皮性能計算」と「一次エネルギー消費量計算」
①「外皮性能計算」
外皮性能計算から算出されるのは「外皮平均熱貫流率:UA値」といわれるものです。
UA値は数値が小さいほど建物の断熱性能が高いものになります。
また断熱性能を表す項目の1つに「断熱等級」という等級区分が存在し、こちらは数値が大きいほど性能が高いものになります。
(現時点では等級7が最高位になっています)
この断熱等級は地域(1~8地域)によってUA値が定められています。
(5地域であれば、断熱等級5の場合はUA値:0.60以下となります)
では断熱性能が高い建物にするにはどうしたらいいのでしょうか。
ポイントは「窓」です。
建物を建築する際に屋根、外壁や床に断熱材を施工しています。
各部位の断熱性能を「熱貫流率」といいます。
(断熱材の性能値を表すのは熱伝導率といい、こちらも数値が低いほど性能が高いものになります)
この熱貫流率ですが、例えば外壁で高性能グラスウール16Kの105mmを使用すると、下地木材や石膏ボードを含み、平均およそ0.45前後になってきます。
一方、窓の数値は引違い窓(アルミ樹脂 W1650 H2000)で2.00前後となり、実に約4倍もの差がでてきます。
これを見るといかに窓から熱が逃げていくかがわかると思います。
大きな窓や複数の窓を設置すると光も取り込めて開放感もあるのでとても気持ちいいのですが、設置する際には今回の話を少し思い出していただけると嬉しいです。
②「一次エネルギー消費量計算」
次に一次エネルギー消費量計算から算出されるのは「BEI(Building Energy Index)」です。
これは設計一次エネルギー消費量を地域や建物用途、部屋の使用条件などによって定められる基準一次エネルギー消費量で除した値になり、数値が小さいほど建物のエネルギー消費が抑えられていることになります。
エネルギーの削減率として表されるもので例えばBEI:0.75であれば25%の削減率となります。
ここでいう設計一次エネルギー消費量とは冷暖房設備、給湯設備などの機器類が消費するエネルギーを合算したものです。
性能のいいエアコンやエコキュートなどを使用するとBEIがよくなります。また、太陽光発電もこのBEIの数値に関わってきます。
太陽光のような再生可能エネルギーを利用する場合は再生可能エネルギーを「除いた」ものと「含めた」もの、2パターンの数値がでてきます。
ここまで「外皮性能計算」と「一次エネルギー消費量計算」について解説してきましたが、省エネ基準を1番利用する機会が多いのは毎年行われている住宅の「補助金制度」ではないでしょうか。
来年度は「子育てグリーン住宅支援事業」という補助金制度が決まっていて、今年度の子育てエコホームと大きく違うのものがGX志向型住宅という区分ができたことです。
このGX志向型住宅の基準は
①「断熱性能等級6」以上(5地域の場合、UA値:0.46以下)
②再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「35%」以上(BEI:0.65以下)
③再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率「100%」以上
上記の条件を全て満たす必要があります。(寒冷地等、都市部狭小地等は緩和があり条件が異なります)
長期優良住宅の基準が断熱等級5以上(5地域の場合、UA値0.60以下)
一次エネルギー消費量等級6以上(BEI0.80以下)
※再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「20%」以上
と、なりますので性能がかなり引き上げられているのがわかります。
補助金取得に住宅性能の担保が求められる時代に突入しています。
高度化する省エネ計算と認定水準はアウトソーシングすることで解決してみてはいかがでしょうか。
☆省エネ計算なら木造構造省エネ計算サポートセンターにお任せ☆
年々、省エネ住宅に求められる基準が増してきています。
何から手をつければいいかわからない、
そんな時は一度弊社にご相談いただければ幸いです。
お問い合わせ
お電話はこちらから
025-384-8805