公開日 2026.03.27
今更聞けない建築確認申請法改正について
あっという間に2026年も半分が終わろうとしていますね。
2025年4月1日、建築基準法および建築物省エネ法の大幅な改正が施行され、確認申請を取り巻く実務環境が大きく変わりました。国内の脱炭素社会実現や安全性向上の観点から、これまで「特例」として扱われていた建築物にも確認申請・省エネ基準への適合手続きが原則として義務付けられるようになりました。このコラムでは、今更きけない押さえておくべきポイントを整理します。
■ ① 4号特例の見直し(確認申請審査の対象拡大)
従来、いわゆる「4号特例」と呼ばれる制度により、小規模な木造住宅などは確認申請時に構造関係の審査が省略されていました。これにより、都市計画区域外で2階建て・延床面積500㎡以下の建築物などは、構造図書の提出なしに手続きができるケースも多くありました。
しかし、2025年4月の改正によりこの4号特例の対象が大幅に縮小され、従来の「4号建築物」は「新2号建築物」と「新3号建築物」に再分類されます。特例を受けられるのは新3号建築物(平屋で延べ面積200㎡以下等)に限定され、それ以外は構造・省エネ関連の図書を提出し確認申請の審査を受けなければなりません。つまり、木造2階建てや延べ面積200㎡超の平屋は、構造審査の対象となります。
この変更は、安全性と建築物の長期性能向上を重視したものであり、これまで特例で審査がなかった部分も審査の目が及ぶようになるため、設計・申請の初期段階から審査要件を十分に検討する必要があります。
■ ② 全ての新築建築物に省エネ基準適合義務
2025年4月以降、全ての新築住宅・非住宅建築物に対して省エネ基準への適合が義務化されます。これにより、確認申請時に省エネ計算書や関連図書の提出が原則として必要になるほか、適合性判定の手続きが求められます。
これは従来まで対象外だった小規模住宅や非住宅にも適用されるため、工務店や設計事務所は省エネ性能の計算・検討を申請書類全体として計画段階から視野に入れる必要があります。いわゆる「仕様基準」から「性能規定」へと実務の重心が移行する局面でもあります。
■ ③ リフォーム・増改築における確認申請の見直し
改正法では、増改築や大規模な模様替え工事に対しても確認申請が必要となるケースが増えています。特に、主要構造部の変更や、大規模修繕・大規模模様替えなど、既存建築物の過半を変更するような工事の場合、確認申請の対象となる可能性が高まります。
また、2025年3月31日までに確認済証が交付され、着工が4月1日以降となる「新2号建築物」や小規模住宅・非住宅については、省エネ適合判定が完了検査段階や計画変更時に必要になる場合があるため、審査期間やコスト面も含めたスケジュール管理が重要です。
■ ④ 実務対応のポイント – 計画段階からの準備
法改正後の確認申請手続きでは、申請図書の量と内容が格段に増えるため、早期の計画検討と設計段階からの対応が鍵となります。具体的には以下の点が重要です:
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省エネ計算・図書の作成・評価方法の選定(仕様基準 or 性能規定)を早期に検討する
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構造関係図書と省エネ関連図書を整備し、確認申請書に一体的にまとめる
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変更スケジュールの見直し:省エネ適合判定審査の時間を見込んだ工程計画
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リフォーム・増改築における確認申請要否の判断基準を整理し、顧客説明や設計計画に反映する
■ まとめ
昨年の改正は単なる法の変化ではなく、建築物の品質・安全・省エネ性能を高めるための転換点です。単に申請書類が増えるというだけでなく、設計者・施工者・申請事務所が一体となって、新しい基準を理解し、実務プロセスそのものを見直す必要があります。
そのためには、国土交通省が進める相談体制やサポートセンター等を活用し、実務者としての知識アップデートと早めの対応を進めることが重要です。
増え続ける設計業務の解決の手段のひとつとして、アウトソーシング検討してみてはいかがでしょうか。
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執筆:サポートセンター省エネ室 小川(二級建築士)
外皮計算・一次エネルギー消費量計算を年間120棟以上担当 |
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