コラム
公開日 2025.02.13
一次エネルギー消費量計算の考え方
2025年4月以降に着工するすべての建築物に対して義務化される「省エネ基準」により格段に増える設計業務量にお悩みの方は少なくないと思います。
そもそも建築物の「省エネ」ってなに?と思ったことはないでしょうか。建築物の「省エネ」で大切なキーワードが2つ、「外皮性能計算」と「一次エネルギー消費量」
前回の外皮性能計算に続き今回は「一次エネルギー消費量」の考え方について簡単に説明していきます。
🔳一次エネルギー消費量とは
一次エネルギー消費量は、エネルギー源(石油、天然ガス、電気、太陽光など)の生産・輸送・変換に伴うエネルギー消費量を計算し、最終的な建築物のエネルギー消費の評価を行います。
1.一次エネルギーと二次エネルギー
・一次エネルギー: 自然界から直接採取されたエネルギー(石油、天然ガス、太陽光、風力、水力など)。建物のエネルギー消費における最も基本的なエネルギー源です。
・二次エネルギー: 一次エネルギーを変換、輸送、貯蔵などを経て使われるエネルギー(電気、ガス、暖房用熱など)。実際に建物内で使用されるエネルギーは、ほとんどが二次エネルギーです。
2. 計算の流れ
□建物のエネルギー使用量を調べる
・建物で使用するエネルギーの種類を明確にします(例:電気、ガス、暖房など)
□エネルギー消費の詳細を計算する
・冷暖房負荷: 建物の冷暖房設備がどれだけエネルギーを消費するかを計算します。建物の断熱性や設備の効率によって異なります。
・照明負荷: 照明に使う電力を計算します。建物の広さや照明の効率(LEDなど)を考慮します。
・設備負荷: その他の機器(給湯器、厨房機器など)によるエネルギー消費を計算します。
3.エネルギー消費の変換
各エネルギー源(電気、ガスなど)の消費量を一次エネルギーに換算します。例えば、電気は送電・変換時にエネルギー損失があるため、その損失を反映させて計算します。換算率は国や地域、エネルギー源によって異なります。
4.エネルギー効率を考慮する
・エネルギー効率: 使用する設備やシステムの効率(例えば、熱効率、発電効率、冷暖房設備のCOP値など)を反映させます。
・再生可能エネルギーの利用: ソーラーパネルや地熱などの再生可能エネルギーが使用されている場合、その発電量を計算に入れることで一次エネルギー消費量を減らすことができます。
上記の情報を基に、建物全体の一次エネルギー消費量を計算します。
その数値(設計一次エネルギー消費量)を基準一次エネルギー消費量で割ったものが「BEI」として算出され、数値が小さいほど性能が高いものになります。
なお、計算にあたって、面積算出の根拠や使用している材料を明示することが必要になります。
さらに、使用している材料の性能を証明する書類の提出も必要になります。
ここまで見ると「一次エネルギー消費量」をするには様々なことを考慮しながら多くの時間がかかりそうですね。
新しい法令への対応は省エネ計算をアウトソーシングすることである程度軽減可能です。
増え続ける設計業務の解決の手段のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
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