コラム
公開日 2025.01.20
構造計算ルート
許容応力度計算、壁量計算はそもそも構造計算ルートで表現するといくつなのか。
建築士試験にチャレンジした方や建築系の学校を卒業された方なら一度は聞き覚えがある
「構造計算ルート」
住宅などの小規模木造でよく採用される許容応力度計算や壁量計算は構造計算ルートでどこに該当するのか改めてまとめていきます。
ルート1 許容応力度計算
法20条1項三号イに規定されている計算方法で、木造の場合、高さ16m以下、3階建て以下に採用できる
(2025年4月法改正後の内容)
建築基準法施行令36条からの仕様規定を全て守る必要があります。
一般的に住宅などの小規模木造で「構造計算」と呼ばれるものは許容応力度計算であることがほとんどです。
ちなみに、建築基準法施行令で「許容応力度計算」という名称は登場しません。
ルート2の「許容応力度等計算」の等がなくなったものとして通称として使用されています。
正しく呼称するなら
「建築基準法施行令81条3項で定める計算方法」
でしょうか。。。長いですね。市民権を得ている「許容応力度計算」が良いです(^^♪
ルート2 許容応力度等計算
建築基準法施行令81条2項二号イに規定されている計算方法で、高さ31m以下に採用できる
建築基準法施行令36条からの仕様規定を全て守る必要があります。
木造では2025年4月法改正後は高さ16m超または4階以上の場合に採用することになります。
住宅などの小規模木造ではあまり馴染みはない計算方法となります。
具体的にはルート1に層間変形角、剛性率、偏心率の計算が追加されたものです。
ルート2は場合によっては「構造計算適合性判定」の対象になります。
名称がルート1の許容応力度計算と似ていますが、対応する建物が違いますし、構造一級建築士の関与が必要な建物規模になります。
ルート3 保有水平耐力計算・限界耐力計算
建築基準法施行令81条2項一号イロに規定されている
高さ60m以下に採用できる計算方法
なんとルート3は建築基準法施行令36条からの仕様規定を一部のみ守れば良いという緩和規定があります。
それほど詳細で安全性の高い計算方法ということになります。
ほぼすべての場合で「構造計算適合性判定」の対象になります。
木造では、最近登場し始めている木造中高層建築物で採用される計算方法です。
また、法36条からの仕様規定を満足できない木造伝統建築物(社寺建築など)で仕様規定の緩和を目的として採用される場合があります。
こちらも構造一級建築士の関与が必要な建物規模になります。
ルートなし 番外1 仕様規定
法20条1項四号イに規定されている構造規定
建築基準法施行令36条からの仕様規定のみを満足すればよいものです。
この仕様規定の中に、木造住宅でよく耳にする「壁量計算」「四分割法」「N値計算」などが出てきます。
2025年4月の建築基準法改正により、ほとんどの木造建築物がこの仕様規定の審査を受ける必要になりました。
ルートなし 番外2 時刻歴応答解析
法20条1項一号に規定されている計算方法で高さ60m超ではこの計算方法一択となります。
こちらもルート3同様、建築基準法施行令36条からの仕様規定を一部のみ守れば良いという緩和規定があります。
建築基準法施行令81条1項一号
荷重及び外力によつて建築物の各部分に連続的に生ずる力及び変形を把握すること。
この一文だけでヤバそうです。
建築基準法が示す構造計算方法の最上位が時刻歴応答解析です。
もちろん構造一級建築士の関与が必要な建物規模になります。
2025年4月の建築基準法改正により多くの建物が仕様規定の審査対象となりました。
これを機に構造安全性の確認方法の違いを理解し、自社に合わせた方法を採用されてはいかがでしょうか。
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